米Microsoftは、中国向けポータルサイト「MSN China」を2016年6月に閉鎖する。同社幹部が現地時間5月10日に閉鎖計画を認めたと、複数の米メディア(TechCrunchFortuneなど)が報じた。

 同社幹部はメディア宛ての電子メールで、6月7日にMSN Chinaの提供を終了すると告知する一方、中国向け事業に引き続き注力する姿勢を強調した。中国でのクラウドサービスやエンタープライズ事業の拡大に取り組むほか、北京にある米国外として最大の研究開発センターを維持する。また、同社は2015年12月に中国政府機関向けWindows 10を開発中であること明らかにしている。

 MSN Chinaは11年前にMicrosoftのMSN事業と中国Shanghai Alliance Investment(上海聯和投資)との合弁事業としてサービスを開始した。検索エンジン、ニュースサイト、マイクロブログ、メッセージなど様々な機能を提供していたが、近年では「Baidu(百度)」、「Weixin(微信)」(英語名WeChat)、「Sina Weibo(新浪微博)」といった地元勢の台頭で苦戦し、2014年にはメッセージングサービス「MSN Messenger」を終了している。

 中国は米国の技術企業にとって非常に大きな市場だが、非常に問題の多い市場でもある。中国では今年、新たな「反テロ法」が施行され、通信事業者やインターネット・サービス・プロバイダーはデータの解読などで当局への協力が義務づけられている。