米Facebookが保守派に関する記事を排除するよう操作していたと報じられ、大きな物議を醸している。同社はさまざまな方面から非難の声が上がる中、「そうした事実はない」と反論した。

 米Gizmodoは現地時間2016年5月9日の朝、元Facebook契約社員からの情報として、Facebookで人気が急上昇している記事を表示する「Trending」機能のチームが意図的に保守派に関する記事をリストから外していたと報じた。

 Trendingチームの責任者であるTom Stocky氏は同日遅い時間に、自身のFacebookアカウントからの投稿で、「匿名で語られた内容が真実であるとの証拠は見つかっていない」と述べた。また「Facebookはさまざまな政治的理念の人々および意見のためのプラットフォームであり、一貫性と中立性を確保するために厳格なガイドラインに沿っている。同ガイドラインは、政治的見解の抑制を許可していない」と主張した。

 米TechCrunchによると、米上院商業委員会はこの問題について、FacebookのMark Zuckerberg最高経営責任者(CEO)宛てに質問状を送付。Trendingチームの組織構造や掲載トピックの最終的責任者について説明を求めるほか、ニュースキュレーターは実際にトピックを操作したか、Facebookの言う「厳格なガイドライン」はいつ導入されたかなどの質問について回答を要求した。

 米New York Timesが引用した米Pew Research Centerと米Knight Foundationの共同調査の結果によると、Facebookユーザーの63%がFacebookをニュースソースとしてとらえており、Gizmodoの報道は、たとえ意図的でないとしてもTrending担当者とその先入観が及ぼす影響について疑問を提起している。