写真●野村総合研究所代表取締役社長の此本臣吾氏(左)と、東京工業大学学長の三島良直氏(右)
写真●野村総合研究所代表取締役社長の此本臣吾氏(左)と、東京工業大学学長の三島良直氏(右)
(提供:東京工業大学、野村総合研究所)
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 東京工業大学(東工大)と野村総合研究所(NRI)は2016年5月10日、サイバーセキュリティ分野で連携するという協定「NRI・東工大サイバーセキュリティ教育研究共創プログラム」を4月28日に結んだと発表した(写真)。同プログラムの下、防御技術の共同研究を行うとともに、NRIグループ社員が講師となる科目を東京工業大学に開講する。2016年4月から2年間にわたって取り組む。

 サイバー攻撃に対する防御技術の研究と、サイバー攻撃に関する高度な専門性を備えた人材の育成(教育)の2分野で連携する。共同研究では、攻撃手法の解析を行うとともに、攻撃からの防御を行うためのツール、技法、実用化手法などに関する技術的研究を進める。

 人材教育では、修士課程、博士後期課程、または専門職学位課程に在籍する学生を対象に、NRIグループ社員が講師となる以下の2科目を開講する。「サイバーセキュリティ攻撃・防御第一〔2単位〕」と「サイバーセキュリティ攻撃・防御第三〔2単位〕」である。

 東京工業大学は、NRIとの連携をコアとしつつ、楽天、NTT、産業技術総合研究所の協力も得て、東京工業大学情報理工学院に「サイバーセキュリティ特別専門学修プログラム」を2016年4月に開設した。これら企業から講師を派遣する形である。

 東京工業大学は2015年4月、情報セキュリティの分野で産学官の連携研究を推進する母体となって企業ニーズなどに対応することを目的とした「サイバーセキュリティ研究推進体」を学内に設置し、連携先を模索していた。一方、NRIは情報セキュリティ専門会社「NRIセキュアテクノロジーズ」をグループ内に有しており、セキュリティ人材の教育や防御技術の研究のパートナーを求めていた。