「FileMaker 15 プラットフォーム」では「Touch ID」による指認証でログインできる
「FileMaker 15 プラットフォーム」では「Touch ID」による指認証でログインできる
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 米アップルの子会社で業務用アプリの開発実行環境を手掛ける、ファイルメーカー日本法人は2016年5月11日、開発実行環境の新版「FileMaker 15 プラットフォーム」を発表した。FileMakerは、iPad、iPhoneなどで利用可能な業務用アプリを、プログラミングせずに開発できる特徴を持つ。

 FileMakerプラットフォームでは、開発した業務用アプリを「カスタムApp」と呼ぶ。カスタムAppは、App Storeで無償提供している実行環境「FileMaker GO」をインストールしたiPadやiPhone上で動かせるほか、WindowsやOS Xを搭載したパソコン、ウェブブラウザからも利用できる。

FileMaker GOのアイコンを指で強めに押すと、感圧センサー「3D Touch」でカスタムAppなどを複数自動表示
FileMaker GOのアイコンを指で強めに押すと、感圧センサー「3D Touch」でカスタムAppなどを複数自動表示
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 新版で最も強化したのは、iPadやiPhoneでの使い勝手だ。FileMaker GOの上でカスタムAppを利用する際、ログイン処理が必要だが、従来は、パスワードなどをソフトキーボードで入力する手間がかかっていた。新版では、5s以降のiPhoneなどで利用できるようになった指紋認証機能「Touch ID」で認証する仕組みを追加。iPhoneなどのホームボタンに指を置くだけで、FileMaker GOにログインでき、カスタムAppをすぐに利用できるようにした。

 また、iPhone 6sに初搭載された感圧センサー「3D Touch」を、FileMakerで使えるようにした。ユーザーがiPhoneのトップ画面に表示されているFileMaker GOのアイコンを指で強めに押すと、利用頻度が高いカスタムAppなどを複数、自動表示。ユーザーがそのまま指をスライドさせるだけで、カスタムAppを起動できるようにした。

App Extensionsという機能の追加で、カスタムAppのデータのメール送信などを簡単にできるようにした
App Extensionsという機能の追加で、カスタムAppのデータのメール送信などを簡単にできるようにした
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 「企業では、外出先や作業現場といったキーボード操作が難しい場所で、iPhoneやiPadの活用が進んでいる。直感的なタッチ操作によりひと手間を省くことで、ビジネスユーザーはカスタムAppをさらに使ってもらいやすくなる」と、ファイルメーカーの荒地暁マーケティング部シニアマネージャーは説明する。

 さらにカスタムAppで管理するデータを、iOS上の他のアプリに簡単に引き継げる機能「App Extensions」も新たに追加。画像などカスタムAppで管理するデータを、ストレージサービスのiCloud Driveにアップロードしたり、メッセージやメールで送信したりすることが容易にできるようにした。FileMaker Pro 15の価格は1本売りの場合、税別で3万8000円からになる。