地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営するマイナンバーカード管理システムが2016年5月2日、自治体にある統合端末から接続しにくくなったり、動作が遅い状態が再び続出していることが分かった。

 カード管理システムについては、J-LISが16年4月27日に障害原因を公表して事実上の問題解消を宣言していた。しかし複数の自治体関係者によると、「午前中にJ-LISのサーバーにつながらずにタイムアウトと返ってくる」「複数台ある統合端末で、動きが鈍かったりエラーが返ってきて交付作業が滞る状態」という。

 J-LISによると、「連休の谷間で自治体の窓口が混雑していると聞いている。カードの受け取りなどでシステムへのアクセスが急増したようだ」(情報化支援戦略部)という。システムの遅延が起きた自治体に地域差はなく、システムから弾かれたり、作業ができない状態が特に午前中に頻発したという。

 カード管理システムは住民基本台帳ネット(住基ネット)と同じ通信回線を利用しているため、転居などに伴う自治体からの転入・転出の手続きで通信が急増したことや、JーLISによる問題解消の公表を受けてカードの交付を控えていた自治体からのアクセスやデータ量が増えた可能性を指摘する自治体関係者もいる。

 一部の自治体では、4月末まで窓口での即日交付をやめて本人限定郵便で郵送したり、J-LISから自治体にカードが届いても実際にカード交付が可能になったことを伝える通知を小出しにして、窓口で市民を長時間待たせないように対応してきたという。しかし「起きている事象は変わらないので対応を変えられない」(関東の自治体関係者)といった不安の声も上がっている。