ジョンルーク・ロバート米キリバ会長兼CEO(右)、桑野祐一郎キリバ・ジャパン代表取締役社長(中央)、共同出資社であるサンブリッジのアレン・マイナー創業者兼グループCEO(右)
ジョンルーク・ロバート米キリバ会長兼CEO(右)、桑野祐一郎キリバ・ジャパン代表取締役社長(中央)、共同出資社であるサンブリッジのアレン・マイナー創業者兼グループCEO(右)
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 クラウドを使った財務管理アプリケーションを販売する米キリバは2016年4月28日、2016年1月に同社の代表取締役社長に就任した桑野祐一郎氏を披露し、2016年の新規契約目標を発表した。米キリバのジョンルーク・ロバート会長兼CEOの来日に合わせたもので、日本市場に注力して事業拡張する方針をアピールした。

 キリバはクラウド上で財務管理を行うためのアプリケーション「プロアクティブ・トレジャリー・マネジメント」を販売している。子会社や遠方の事業所の財務情報を一括して管理できる。会社が保有する資産状況をリアルタイムに収集することで、投資や事業の撤退を素早く決定できるという。ロバートCEOは「財務はただ管理する時代から、戦略に使う時代になっている。当社の財務管理アプリケーションで企業全体の資金を見える化することで、必要な投資判断を瞬時に決定できる」という。

 同アプリケーションは為替による外貨資産の変動を含めて企業全体の資産を可視化できる。特に国際展開する企業の需要を見込んでいる。正確にグループ全体の預金額を可視化することで、効果的な投資が可能になるという。

 今回の就任発表の狙いは、日本市場での営業を活発化する同社の方針をアピールすること。キリバの財務管理アプリケーションは、27カ国語の管理画面を用意して各国の財務管理者が同じ管理システムを使えることを強みにしている。ロバートCEOは「将来、80%以上の企業がクラウドで財務管理をするようになる。日本でも劇的に増えていくだろう」と語った。

 同社の財務管理アプリケーションの価格は、利用者数や使う機能によって変わるが、年間約500万円程度だという。2015年の新規契約額は1億1千万円程度とみられる。同社は2016年に前年比約200%の新規契約額を目指す。桑野氏は「キリバの営業は本格的に活動しはじめたばかり。まずは直販で営業し、直接顧客に魅力を伝えていく」と方針を話す。