米Yahoo!は現地時間2016年4月27日、新たに4人の社外取締役を迎えることで、同社株主である米Starboard Valueと合意したと発表した。

 取締役会に新たに加わるのは、Starboardの最高経営責任者(CEO)兼最高投資責任者のJeffrey C. Smith氏のほか、ドイツDeutsche Bank Securitiesでマネージングディレクター兼M&A責任者を務めたTor R. Braham氏、米Tribuneの元CEOで米DIRECTVの会長兼CEOなども務めたEddy Hartenstein氏、米Tessera Technologies会長のRichard S. Hill氏。Smith氏は、Yahoo!の戦略検討委員会にも参加する。

 現職の取締役のうち2人は今年の年次株主総会で再選に立候補しないため、以降の取締役会は11人構成になる。

 Starboardは約1年半前からYahoo!の経営建て直しを繰り返し求め、今年1月には経営幹部と戦略の刷新を迫るとともに、委任状争奪戦を仕掛ける可能性を示唆した。3月にYahoo!取締役会に送った書簡では「取締役会がリーダーシップと客観性、株主に最良の価値をもたらす意思決定に必要な総体的視点に欠けていることは明らかだ」と厳しく非難し、取締役会の全入れ替えを目指して9人の取締役候補を指名することを公表していた(関連記事:物言う投資家Starboard、Yahoo!取締役会の全入れ替えを要求)。

 Marissa Mayer CEOは「今回の建設的な解決策により、経営幹部と取締役会は極めて重要な目的に向かって専念できる」と述べた。Starboardは合意の一環として、先の取締役候補指名をすでに取り下げている。

 Yahoo!はこの数カ月間、ネット事業など中核事業の買い手を探しており、第1回目の買収提案受付を4月18日に締め切った。米Verizon Communicationsやプライベートエクイティファンドの米TPGなどが応札したと伝えられており、中でもVerizonが最有力と見られている。その翌日に発表したYahoo!の2016年第1四半期決算は、11%減収で9900万ドルの赤字だった(関連記事:Yahoo!のQ1決算は減収赤字、「引き続き戦略的選択肢を検討」)。

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