米Googleや米Ford Motorなどの5社は、米国における自動運転車の実用化に向けて連携すると発表した。5社はこのため「Self-Driving Coalition for Safer Streets」と呼ぶ企業連合を設立した。英Reuters米Computerworld米The Vergeなどの海外の通信社やメディアが現地時間2016年4月26日に報じた。

 Self-Driving Coalition for Safer Streetsの設立メンバーは、自動運転車を開発するGoogle、Ford Motor、配車サービスの米Uber Technologiesと米Lyft、そしてスウェーデンの自動車大手Volvo Cars。同企業連合は、米運輸省の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration:NHTSA)で2014年まで長官を務めたDavid Strickland氏を、顧問兼広報担当者として迎える。

 Self-Driving Coalition for Safer Streetsの設立は、自動運転車を公道で走らせるための統一した基準や法整備を連邦政府に働きかけるのが狙い。Computerworldによると、各州政府の道路交通法を寄せ集めて策定した基準では自動運転車の研究開発や実用化に遅れが生じると懸念されている。Strickland氏は今回の声明で、「今後、政策立案者と正しい問題解決策を見いだしていく」と述べている。

 このほか、Self-Driving Coalition for Safer Streetsは自動運転車のビジョンを米国の公道に反映させるため、市民団体や地方自治体、企業などとも連携していくとしている。同企業連合によると、自動運転車の技術により、道路交通や、高齢者・障害者の移動手段の安全が高められ、渋滞も緩和される。さらに自然環境の改善や輸送の効率化にも貢献するという。

 同企業連合が引用した米運輸省の予測によると、自動運転車は重大な事故や、事故件数を大幅に減らす効果があると見られている。米国では昨年1年間、自動車事故による死亡者数が3万3000人に達した。このうち94%は人為的ミスによるものという。また自動車事故は若年層(15~29才)の死因の第1位となっている。