米連邦通信委員会(FCC)は現地時間2016年4月25日、米Charter Communicationsによる米Time Warner Cable(TWC)および米Bright House Networksの買収に関して、Tom Wheeler委員長がFCC委員に承認を勧告したことを明らかにした。

 勧告では、ビデオ市場の競争を維持し、ブロードバンド普及を促進するための7年間の条件を提示している。

 Charterは2013年から何度もTWCに買収を提案していたが、TWCは2014年2月に米ケーブル業界第1位の米Comcastによる買収提案に合意した。しかし当局が承認に難色を示したため、ComcastとTWCの合意は2015年4月に白紙に戻り、同年5月にCharterがTWCを買収することで合意をとりつけた。CharterはBright House買収でも合意し、3社を合わせたユーザー数はComcastに次ぐ規模になるとされている(関連記事:CharterによるTime Warner Cable買収が合意間近か、約550億ドルを提示)。

 Wheeler委員長によれば、承認にあたってはビデオ市場の競争に対する不当な障害を取り除くための条件が課される。従量課金制の提供や、オンラインビデオ事業者への相互接続料設定を禁じるほか、高速接続サービスの提供拡大などが条件に含まれる。

 しかし、これら条件は市場競争を保護するには不十分だとする意見が、ビデオ配信事業者や消費者擁護団体、FCC委員からも上がっているという(米New York Timesの報道)。

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