総務省、文部科学省、経済産業省などは2016年4月25日、「第1回 次世代の人工知能技術に関する合同シンポジウム」を開催した。人工知能(AI)研究に関する3省連携の立ち上げという位置付けのイベントで、3省を管轄する大臣がそろい踏みしたほか、3省連携の主体となる人工知能技術戦略会議、研究開発を担う各センターの活動方針や今後の方向、課題について報告した。

写真1●左から馳浩文科相、高市早苗総務相、林幹雄経産相
写真1●左から馳浩文科相、高市早苗総務相、林幹雄経産相
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 高市早苗総務相は米グーグル DeepMindの「アルファ碁」を引き合いに出して「AIへの期待の高さ、強さを非常に感じる」とし、「これからAIは生活の隅々に入っていく。国際競争力を強化していくうえでも大切になる」と3省連携の意義を強調。4月29~30日に開催する主要7カ国(G7)情報通信相会合でも「AI活用の進展に向けた議論を期待している」として、日本からAI開発原則を提唱する方針を示した。

 馳浩文科相、林幹雄経産相も3省連携への期待を表明。馳文科相は「革新的なAIの基盤技術に取り組んでいく」、林経産相は「強い経済を生み出すためにはAIは鍵となる技術」とそれぞれ語った。

研究開発の課題は多い

 3省連携は、総務省系の情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター、文科省系の理化学研究所 革新知能統合研究センター(関連記事:理化学研究所が人工知能の研究拠点「革新知能統合研究センター」設置、3省連携体制整う)、経産省系の産業技術総合研究所 人工知能研究センター(関連記事:「国内トップ人材のハブに」、産総研・人工知能研究センター設立の狙いをセンター長が語る)の3センターの活動を、人工知能技術戦略会議が束ねる形で進める。