ウイングアーク1stは2016年4月25日、データを可視化するBI(ビジネス・インテリジェンス)ダッシュボードソフトをクラウド型で提供するサービス「MotionBoard Cloud」を強化した(画面)。製造業や物流業などに向けた機能として、IoT(モノのインターネット)データをリアルタイムに収集して可視化できるようにした。価格(税別)は、月額9万円(10ユーザー)から。

画面●経路や距離などの道路情報を理解できるように強化した地図画面
画面●経路や距離などの道路情報を理解できるように強化した地図画面
(出所:ウイングアーク1st)
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 同社は3月30日に、BIダッシュボードソフトの新版「MotionBoard Ver.5.6」を発表済み(関連記事:ウイングアーク1st、IoTに対応したBIダッシュボード「MotionBoard」発表)。パッケージ版の出荷時期は5月16日だが、クラウド版をパッケージ版に先立って4月25日に提供することをアナウンスしていた。本日、新機能を搭載したクラウド版の提供を開始した形である。

 今回の機能強化では、IoTデータをリアルタイムに収集できるようにした。MotionBoardが用意しているWeb API(REST)やMQTT(MQ Telemetry Transport)を介してIoTデータを取得できるようにしたほか、MotionBoardから外部のDBMS(データベース管理システム)にアクセスして差分データだけを取得できるようにした。

 Web APIは、今回初めて追加した機能である。IoTデバイスからMotionBoardにアクセスするためのREST APIを公開するとともに、APIを利用するサンプルアプリケーションとして、Android/iOSの位置情報などをプッシュ通知するスマートフォンアプリ「IoT Agent」も用意した。IoT Agentは、ユーザーが任意のIoTエージェントを開発できるようにオープンソース(OSS)としてソースを公開する。

 位置情報を活用しやすいように地図機能も強化した。これまでも地図上にデータをマッピング表示できていたが、背景画像として地図を利用していたに過ぎなかった。今回の機能強化では、道路を理解し、カーナビのようにルート検索などができるようになった。地図データには米グーグルのOpenStreetMapを利用する。ルート検索エンジンは自前で開発して組み込んだ。

 今回の強化ではさらに、レポート機能を強化した。具体的には、分析して可視化した結果を、ExcelやPowerPointの形式で出力できるようにした。一度フォーマットを設定しておけば、最新のデータをレポートに反映して出力させることができる。このため、報告資料のグラフや集計表の作成に時間をかける必要がなくなる。