日本マイクロソフト(日本MS)は2016年4月25日に記者説明会を開催し、ブロックチェーン技術への米本社と日本法人での取り組みを紹介した。

 この場で日本MSは、インフォテリア、カレンシーポート、テックビューロ、さくらインターネットなどが同日に設立した「ブロックチェーン推進協会」に、発起メンバーとして参加することを明らかにした。

イーサリアムに加えRipple、Eris、Chainのクラウドサービスも

 米マイクロソフト(MS)による世界レベルでの取り組みでは、世界の大手金融機関が参加する「R3コンソーシアム」と連携するほか、米コンセンシスと提携し、ブロックチェーンのオープンソースソフト(OSS)「イーサリアム」のBaaS(Blockchain as a Service)を提供している。

 米MSは今後、提供するBaaSの対象となるブロックチェーン技術を、「Ripple」「Eris」「Chain」などにも拡大させる計画。複数のブロックチェーン技術を扱えるようにすることで、特定のプラットフォームによらない中立的な立場を維持する。

Azure BaaSを他のブロックチェーン技術にも拡大させる
Azure BaaSを他のブロックチェーン技術にも拡大させる
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国内では金融系SI企業と連携

 日本MSは2016年2月から、みずほフィナンシャルグループと、SI企業の電通国際情報サービス(ISID)、ブロックチェーン技術のスタートアップ企業であるカレンシーポートと4社で、シンジケートローン業務に関するブロックチェーンの実証実験を進めている。

 日本MSは、この4社連携をモデルケースに、今後も国内で金融系の実証実験を手掛ける考えだ。「4社連携では、金融機関とスタートアップ企業の間をSI企業がうまく仲介する形で、実験を順調に進めている。国内では、金融とブロックチェーンの連携は、SI企業の仲介なしにはできない、というのが私の仮説だ」(日本MS クラウド&エンタープライズビジネス本部 エグゼクティブプロダクト マネージャーの大谷健氏)。

日本MSが考えるブロックチェーン技術の国内エコシステム
日本MSが考えるブロックチェーン技術の国内エコシステム
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 さらに日本MSは、2016年4月25日に発足するブロックチェーン推進協会に参加する。「やはりブロックチェーンは世界が先進的で、英国のロンドン、米国のシリコンバレーやニューヨークで、FinTechからIoTまで様々な取り組みが進んでいる」(大谷氏)。日本MSは、同協会への加盟を通じ、国内でブロックチェーン技術の普及啓発を進める考え。大谷氏は同協会の理事に就任する。

■変更履歴
当初記事で「国際電通情報サービス」とあったのは、「電通国際情報サービス」の誤りです。お詫びして訂正します。 [2016/4/25 16:10]