写真●日本オラクルの杉原博茂 取締役 代表執行役社長 兼 CEO
写真●日本オラクルの杉原博茂 取締役 代表執行役社長 兼 CEO
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 日本オラクルは2016年4月21日、新型のクラウドサービス「Oracle Cloud Machine」の提供を開始したと発表した。専用アプライアンスを使って、ユーザー企業のデータセンター内でPaaS「Oracle Cloud Platform」を使えるようにする。杉原博茂氏(取締役 代表執行役社長 兼 CEO)は「オンプレミスとパブリッククラウドの中間に位置する。今までにないサービスで市場を作っていきたい」と意気込む(写真)。

 新サービスでは、日本オラクルが専用のアプライアンスを用意し、ユーザー企業のデータセンターに設置する。アプライアンスの導入と設定、監視、管理は日本オラクルが実施する。このアプライアンスを使って、Oracle Cloud Platformと同様のIaaS、PaaSを提供する。PaaSはJava実行環境「Java Cloud Service」、データベース「Database Cloud Service」、連携基盤「Integration Cloud Service」を提供。今後、ほかのPaaSも提供する予定だ。

 料金はアプライアンスの利用料とPaaSの利用料の合計となる。アプライアンスの利用料は288コアの「Model 288」の場合で月額259万2000円。アプライアンスは576コア、1080コアのモデルも用意する。初期費用は不要。PaaSの利用料はOracle Cloud Platformと同じだ。利用CPUコア数によって変わる月額料金と、時間に応じた完全従量課金を選択できる。IaaSを利用する場合は、PaaSの利用料が掛からない。

 新サービスの特徴は、セキュリティ、運用・管理、ネットワークにあるとする。日本オラクルの本多 充氏(執行役員 クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業統括本部長)は「データを自社データセンターの外に出せないというユーザー、メンテナンス時間を調整したいユーザー、通信の遅延を小さくしたいユーザーに向く」という。

 環境構築、アプリ開発、運用管理を効率化する効果はパブリッククラウドのPaaSと同様。「オンプレミスの既存システムと低コスト、低遅延で連携しながら、PaaS向きの“作っては壊し、”というアプリケーションを作れる」(本多氏)。