写真●イオンの「執行役 IT改革担当」に就任する小佐野豪績氏
写真●イオンの「執行役 IT改革担当」に就任する小佐野豪績氏
撮影:古立 康三
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 イオンは2016年4月21日、ヤマト運輸の執行役員(中国支社長)である小佐野豪績氏(写真、51歳)が4月21日付で、「執行役 IT改革担当」に就任する人事を発表した。小佐野氏は事実上のCIO(最高情報責任者)として、イオングループ全体のIT戦略の策定やオムニチャネル戦略などを担当するものとみられる。

 イオンは、ヤマト運輸をデジタル先進企業に押し上げた手腕や、社長経験を通じて経営センスを備えている点などを高く評価し、小佐野氏をヘッドハンティングしたもよう。小佐野氏はヤマトホールディングス時代、日経情報ストラテジーが選ぶ「CIOオブ・ザ・イヤー2012」に選出された。日経ITイノベーターズのエグゼクティブメンバー(幹事会員)も務めている。

 小佐野氏は2010年、45歳にしてヤマトホールディングスの執行役員(事業戦略・IT戦略担当)としてグループCIOに就任した。1988年にヤマト運輸に入社以来、一貫してシステム畑を歩んだ後、ヤマトリース社長、ボックスチャーター社長などを歴任。直近まで小佐野氏は、ヤマト運輸の執行役員 中国支社長として広島や岡山など中国地方のトップを務めていた。

 同氏の仕事の信条は、「ITで世の中を便利にする」ということ。ヤマトホールディングスのCIO時代のインタビューで、小佐野氏は「2社の社長経験を通じて、経営とITを一体化させることの本当の意味と重要性を習得できた。事業とITの両面から、グループやグローバルに最適な情報システムの在り方を考える。大事なことは、社員に夢を与えるような情報化ビジョンを示すことだ」と記者に語っていた。オムニチャネル戦略競争にさらされているイオンに移り、小佐野氏がどのようなデジタル変革を推進するかに注目が集まる。