ネットワールドは2016年4月21日、深層学習(ディープラーニング)を利用した人工知能(AI)システムの構築・実行を支援するコンバージドシステム(垂直統合システム)を今夏をめどに提供すると発表した。米NVIDIAのGPU(Graphics Processing Unit)を搭載したハードウエアと深層学習に必要なソフトウエア、ネットワーク、ストレージを組み合わせて、多大な処理性能とデータ容量が求められる深層学習の処理を1台で可能にすることを狙う。

 製品の名称は「Networld Deep Learning One-stop Solution(Networld DLS、開発コード名)」。NVIDIAのTesla GPUを搭載した米レノボ、米IBM、NVIDIAなどのコンピュータ、NVIDIAのGPU向け開発環境「CUDA」やDeep Learningフレームワーク、Deep Learning SDK(開発キット)といったソフトウエア、InfiniBandなどに対応した米メラノックステクノロジーズのスイッチ「Mellanox」といったネットワーク、米ネットアップや米EMCなどのストレージで構成する。

 Networld DLSでは、これらを検証済み・サイジング済みの状態で提供するので、深層学習を利用する環境を短期間で構築できるという。

 ネットワールドはコンバージドシステムを実現するに当たり、NVIDIA製GPU関連製品・サービスを提供するGDEPソリューションズと協業している。参考予定価格は498万円(税別)から。自動車メーカーをはじめとする企業の研究所やゲーム開発会社、大学などを主な販売対象と想定している。

 同社は今後、画像解析や音声解析、自然言語処理といった用途別に深層学習用API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)をNetworld DLSに搭載して提供していく。「一般企業でもPOC(コンセプト検証)の目的で導入気運が高まっているので、それに応えるエントリーモデルも用意する予定」(ネットワールド)だ。