米IBMは現地時間2016年4月18日、同年第1四半期(1~3月)の決算を発表した。クラウドサービスなど戦略的に重視する事業は好調だったものの、システム事業の落ち込みなどが響き、16四半期連続の減収となった。

 第1四半期の売上高は186億8400万ドルで、前年同期と比べ4.6%減少した。為替の影響を除いた場合は約2%減となる。

 純利益は20億1400万ドルで前年同期と比べ13.4%減少、1株当たり利益は2.09ドルで同11.4%低下した。特別項目を除いた継続事業ベースの純利益は同21.4%減の22億7000万ドル、1株当たり利益は同19.2%減の2.35ドルとなる。

 米Forbesの情報によると、アナリストらの予測は売上高が182億8000万ドル、特別項目を除いた1株当たり利益が2.09ドルだった。

 事業別の売上高は、コンサルティングやビジネスプロセスアウトソーシング、アプリケーション管理などを含むGlobal Business Services部門は前年同期比4.3%減の41億3100万ドルだった。

 ソリューションソフトウエアやトランザクション処理ソフトウエアを含むCognitive Solutions部門の売上高は39億7900万ドルで、前年同期から1.7%減少。技術サポートサービスやクラウドインフラサービスなどを含むTechnology Services and Cloud Platforms部門は、84億2400万ドルで、前年同期比1.5%減少した。

 システムハードウエアやOSを手がけるSystems部門は、売上高が16億7500万ドルで前年同期比21.8%下落。融資サービスなどを含むGlobal Financing部門は売上高が4億1000万ドルで、前年同期比11.2%減少した。

 IBMはクラウドサービス、ビッグデータ分析、モバイル、ソーシャルネットワーク、セキュリティーを「戦略的必須事項(Strategic Imperatives)」と位置付け、収益率の高い事業への移行を図っている。これらの事業の合計売上高は前年同期に比べ約14%増加し、中でもクラウド事業は約34%成長した。

 しかし、高成長分野への移行が成果を発揮するかどうかはまだ分からないとするアナリストの意見を米New York Timesは報じている。

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