大日本印刷(DNP)は2016年4月15日、アウトソーシングで請け負っている本人確認業務を拡充し、従来の書面による本人確認に加えて、個人番号カードとICカードリーダーを利用したオンラインの本人確認手段である「公的個人認証サービス」も利用できるようにすると発表した。サイバートラストのサービス基盤を利用する。提供開始時期は、早ければ6月くらいとしている。

 公的個人認証サービスを汎用の本人確認に応用したサービスである。個人番号カードに含まれる電子証明書の有効性を確認することで本人を確認する。ユーザー企業は、DNPとアウトソーシング契約を結ぶことによって、エンドユーザーに対して、個人番号カードによる本人認証手段を提供できるようになる。書面による本人確認と合わせ、本人確認の選択肢が広がる。

 以下の機能を提供する。「本人確認機能」では、本人が実在していること(実在性)と、正しくその本人であること(同一性)を確認する。利用者の同意に基づいて、「住所確認機能」「年齢確認機能」「生存確認機能」(生存や海外転出を確認する機能)も提供する。加えて、ユーザー企業が自社の会員向けにオリジナルの電子的な会員証を発行する機能「電子会員証発行機能」も用意した。

 サービス基盤を運営するサイバートラストは、個人番号カードの電子証明書を発行している地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から認定を受ける予定。認定を受けてからDNPがサービスを提供する。サイバートラスト自身によるサービス提供の予定や、DNP以外の第三者を介した提供の予定は、今のところない。

 個人番号カードの電子証明書は、PKI(公開鍵暗号基盤)におけるクライアント証明書に当たる。証明書を検証するために必要な情報は公開されていないので、本人確認のためにはJ-LISの認定を受けてJ-LISのデータベースシステムにアクセスできるようにする必要がある。