2016年4月14日午後9時過ぎに熊本県で最大震度7の地震が発生した。大手ITベンダーの4月15日の業務にはほとんど影響がなかったことが分かった。各社は通常通り業務を進め、熊本市にあるアクセンチュアのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)センターは4月18日から業務を再開するとした。

 業務に特段の支障が無かったとしたのは日立製作所やNTTデータ、日本IBM。「熊本県には工場やデータセンターは無く、10人程度の営業拠点を置いている。特段業務に支障はない」(日立広報)。NTTデータは「熊本拠点のグループ社員の安否は全員確認できている。一部社員は出社が遅れた」(広報)という。

 熊本はニアショア拠点としてBPOセンターも多い。熊本市中央区に100人超のBPOセンターを構えるアクセンチュアは「建物に支障はないが、揺れのために事務室で物が散乱したり一部の機械が倒れたりした」(広報)。週明け4月18日から業務を再開するという。同社は熊本のBPOセンターで総務や人事、経理といった事務処理系のBPOサービスと、調達業務のBPOサービスを提供している。

 同じく中央区に1300人規模のBPOセンターを構えるトランスコスモスは「社員は全員無事で大多数が通常通り出社した」(広報)。センターは停電もシステム障害も設備の被害もないという。同社は受託業務ごとにBCP(事業継続計画)を策定済み。今回は他センターに業務を振り替えたり、顧客企業からの配慮の下で15日の業務を調整したりして、業務を進めているという。来週以降の業務は顧客と「個別に調整を進めている」(広報)。

 同社は食料などの物資不足に備え、長崎や福岡、大阪の拠点から物資を輸送。既に第一陣は熊本拠点に到着済みという。「大型トラックを用意して炊き出しなどの準備・手配も始めている。自治体と協力して早期の復旧に向けて支援していきたい」(同)。

 富士通とNECからは現状について回答を得られなかった。両社とも300万円の義捐金を拠出すると4月15日に表明した。