マルケトの福田康隆 代表取締役社長
「適切な情報や広告の配信を受けたい潜在的要求は日本でも高い」と説明するマルケトの福田社長
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インティメート・マージャーの簗島亮次 代表取締役社長
「マルケトは多くの企業と連携する方針が明確。安心して連携できるパートナーだと判断した」と話すIMの簗島社長
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 米マルケト日本法人は2016年4月13日、インターネットから集約した情報を保有するインティメート・マージャー(IM)と協業して、企業のマーケティング効率を高めるサービスを始めると発表した。マルケトのマーケティング支援サービスとIMのネット情報を組み合わせることで、それぞれを単体で使う場合に比べて精緻なデジタルマーケティングを可能にする。

 マルケトはマーケーティングオートメーション(MA)サービスと呼ぶ、マーケティング施策に必要な様々な作業を自動化するソフトを提供している。550社以上のパートナー企業のサービスと連携することで、名刺からの企業情報収集や営業人員の行動把握といった作業を自動化できる。

 IMは、インターネット上の利用者データを保有する企業からデータ提供を受け、クッキーや端末IDを基にそれらを関連付けて加工。結果を基に、顧客企業の広告配信やマーケティング調査を支援する。

 同社が保有するネット利用者データは、約4億人分と日本最大級。所属する業界や興味を持っている事柄など、5000以上の属性を持つ。同社はDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)と呼ぶ、特定条件に当てはまる広告効果の期待が高いユーザーを抽出するシステムを運営する。

 マルケトはIMの情報を使い、既存のMAサービスを強化する。利用企業はセミナー参加者情報や名刺といったオフラインの営業活動で得た顧客データと、IMが持つネット利用履歴データを組み合わせて、マーケティングの精度を向上できる。メール広告の未開封を検知して広告配信戦略の切り替えを行うこともできる。

 マルケトの福田康隆社長は「IMの持つオンライン情報を組み合わせることで、マルケトが得意とするデジタルマーケティング支援を、オフラインで得た顧客にも利用できる」と説明する。IMの簗島亮次社長は「オンラインデータを使ったマーケティングは挑戦的な分野。IMはデータ連携のAPIや分析のノウハウが評価されている」と話す。

 新サービスはマルケトが運営するポータルサイト「Marketo LaunchPoint」を介して提供する。Marketo LaunchPointはマルケトのパートナー企業が提供するサービスを検索したり、登録済みサービスとの連携機能を開発したりするサイト。登録サービス数は250超で、国内企業はIMで7社目だ。