米Gartnerが2016年4月11日に公表したパソコン市場に関する調査(速報値)によると、同年第1四半期(1~3月)における世界のパソコン出荷台数は6480万台となり、前年同期から9.6%減少した。パソコンの四半期出荷台数は、これで6四半期連続で前年実績を下回った。また四半期出荷台数が6500万台を下回ったのは、2007年以来初めてのことだという。

 Gartnerの主席アナリスト、北川美佳子氏によると、パソコン市場の落ち込みの主な要因はドル高。昨年第4四半期(10~12月)から積み上がった在庫の影響もあったと同氏は指摘している。

 2016年第1四半期はすべての主要地域で出荷台数が減少したが、中南米は前年同期比32.4%減と、最も落ち込みが激しかった。とりわけ経済と政治不安の問題を抱えるブラジルが、同地域のパソコン市場に悪影響を及ぼしたという。

 これ以外の地域を見ると、米国の出荷台数は1310万台で、前年同期から6.6%減少した。Gartnerによると、この出荷台数は過去3年で最も低い水準。同国では2-in-1型パソコンの販売が伸びたが、デスクトップパソコンや従来型ノートパソコンの落ち込みを補うことができなかった。

 アジア太平洋地域は、同5.1%減の2330万台。減速が続いている中国経済と世界的な需要低迷が、引き続き同地域の消費者心理を低下させている、とGartnerは指摘している。またEMEA(欧州、中東、アフリカ)の出荷台数は同10%減の1950万台だった。ただし西欧ではドイツと英国の需要が引き続き安定しているという。

 2016年第1四半期のメーカー別出荷台数は、中国Lenovo Group(聯想集団)、米HP、米Dell、台湾Acer(宏碁)、米Appleの順となった。このうち首位のLenovoの出荷台数は1248万台で、前年同期比7.2%減。2位のHPは1141万台で同9.0%減。3位のDellは915万台で同0.4%減。一方で、AcerとAppleは出荷台数を伸ばしており、それぞれ537万台(同1.5%増)、461万台(同1.0%増)となった。

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