英タブロイド紙「Daily Mail」事業を傘下に持つ英大手メディア会社Daily Mail and General Trust(DMGT)が、米Yahoo!の資産買収に向けてプライベートエクイティ(PE)投資会社らと協議していることを認めたと、複数の米メディア(New York TimesUSA TODAY)が現地時間2016年4月11日に報じた。DMGTがYahoo!買収について投資会社との協力を検討中という情報は米Wall Street Journal(全文閲覧には有料登録が必要)が先に伝えていた。

 Yahoo!は当初、中核事業などの資産売却について買収案の提出期限を4月11日に設定したが、その後4月18日に延期したという。DMGTは「交渉はまだ早期の段階で、なんらかの取引に至る確実性はない」と述べている。

 英Financial Times(閲覧には有料登録が必要)が関係者から得た情報によると、DMGTは2通りの買収方法を想定している。1つは、PE投資会社がYahoo!全体の経営権を獲得し、DMGTがニュースおよびメディア資産(ニュース、ファイナンス、スポーツ、動画サイトなど)を運営する。もう1つは、PE投資会社がYahoo!を買収して新事業を立ち上げ、Yahoo!のニュースおよびメディア資産とDMGTのオンライン事業(「Dailymail.com」や「Elite Daily」など)を統合する。

 Yahoo!の資産買収に関しては、米Verizon Communicationsが今週にも、Yahoo!に買収案を提示する意向と見られている(関連記事:VerizonがYahoo!のWeb事業買収案を来週提示? Googleも検討中か)。そのほか、米Alphabetの米Google、米出版大手のTimeなどが関心を抱いていると報じられている。