韓国Samsung Electronicsは現地時間2016年4月7日、同年第1四半期(2016年1~3月)の業績見通しを発表した。売上高は前年同期と比べ約4%増加し、営業利益は約10%増加する見込み。

 同社は、韓国採択国際会計基準(K-IFRS)に基づいた第1四半期連結決算の売上高を48兆~50兆ウオン(中間値は約49兆ウオン)、営業利益は6兆5000億~6兆7000億ウオン(同約6兆6000億ウオン)と見込んでいる。

 前年同期は売上高が47兆1000億ウオンで営業利益が6兆ウオン。前期はそれぞれ53兆3000億ウオンと6兆1000億ウオンだった。

 米USA TODAYの報道によると、第1四半期の営業利益見通しについて、アナリストの予測平均は5兆5000億ウオンだった。

 予想を上回る第1四半期業績には、3月に発売した最新スマートフォン「Galaxy S7」(関連記事)の好調な販売が寄与しているとするアナリストらの意見を米New York Timesは伝えている。またフランスBNP Paribasのアナリストは、新モデルのリリース管理を昨年と変えたことも要因として挙げている。前機種の「Galaxy S6」リリースでは、「Edge」モデルの需要を見誤り、供給不足に陥った。

 前年のGalaxy S6より1カ月前倒しで投入したGalaxy S7は、最初の1カ月間の販売台数が900万台に達する見通しで、Galaxy S6の3倍速いという。しかしスマートフォン市場の需要減速と競争激化を考えると、「第1四半期の利益がすでに今年のピークとなり、あとは下降するだけ」と韓国HMC Investment Securitiesのアナリストは指摘している。韓国Dongbu Securitiesのアナリストは、「第1四半期の増益はモバイル事業のマーケティング費用削減によるところが大きく、Galaxy S7が今後長期にわたって市場にサプライズを与えられるか疑わしい」と述べている(米Bloombergの報道)。

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