写真1●米GoogleのMaire Mahonyエンジニアリングマネージャー
写真1●米GoogleのMaire Mahonyエンジニアリングマネージャー
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 米Googleは2016年4月6日(米国時間)、同社と米Rackspaceが共同で米IBMの次期プロセッサ「POWER9」搭載サーバーを開発中であり、設計図は「Open Compute Project(OCP)」の中でオープンソースとして公開する予定であることを明らかにした(写真1)。同日に米サンノゼで開催された「OpenPOWER Summit 2016」で発表した。

 IBMは2013年に「OpenPOWER Foundation」を設立し、POWERプロセッサの知的財産(IP)を他社に公開している。既にIBM以外の米国や中国の複数のメーカーがPOWERを搭載する独自サーバーを販売しているほか、2018年にはIBM以外のメーカーが開発したPOWERプロセッサも市場に登場する予定。OpenPOWER Summit 2016は、OpenPOWER Foundationが開催したイベントだ。

 Googleは2014年にPOWER搭載マザーボードの試作機を公開しているが、サーバー本体の開発や採用に関しては口を閉ざしていた。Googleの今回の発表は、同社がPOWERに「本気」であることを示すものだと言えそうだ。

GoogleのソフトウエアのほとんどがPOWERに対応済み

 GoogleとRackspaceが共同開発するPOWER9サーバーの開発コード名は「Zaius」で、POWER9プロセッサを2個搭載可能(写真2)。IBMや米NVIDIAが採用するCPUやGPU、メモリーを高速で接続するインタフェース「NVLink/CAPI」にも対応。筐体はGoogleが開発する「48Vラック」に対応する(関連記事:「Open Compute Project」に米Googleが参加、独自開発の「48Vラック」を公開)。

写真2●Googleが開発中のPOWERサーバー「Zaius」の概要
写真2●Googleが開発中のPOWERサーバー「Zaius」の概要
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 OpenPOWER Summit 2016で講演したGoogleのMaire Mahonyエンジニアリングマネージャーは、既に同社が「Gmail」を始めとする同社のクラウドサービスや、クラウドを支えるITインフラのソフトウエアのほとんどをPOWERプロセッサに移植しており、「Googleのエンジニアは設定ファイルを変更するだけで、POWERプロセッサ対応を完了できる状態」(Mahony氏)であることを明かした(写真3)。

写真3●GoogleのソフトウエアのPOWER対応状況
写真3●GoogleのソフトウエアのPOWER対応状況
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