写真1●「館林データセンターC棟」のサーバールームの様子
写真1●「館林データセンターC棟」のサーバールームの様子
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 富士通は2016年4月5日、群馬県館林市にデータセンターの新棟「館林データセンターC棟」を開設し、稼働開始すると発表した(写真1)。クラウド需要増に応えるための専用のサーバールームを設けたほか、独自設計の空調方式を採用。サーバールームの冷却に必要な電力使用量を、同社の既存施設に比べて約60%削減した。

 館林データセンターC棟の延べ床面積は3万9000平方メートル、ラック数は4000。投資額は約460億円。

写真2●富士通 アウトソーシング事業本部長 執行役員の小林俊範氏
写真2●富士通 アウトソーシング事業本部長 執行役員の小林俊範氏
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 同日に開いた報道関係者向けの説明会で、富士通 アウトソーシング事業本部長 執行役員の小林俊範氏は「クラウドサービス『K5』の中核拠点として、クラウドの需要増に応えていきたい」と話した(写真2)。C棟ではクラウド向けに、高集積・高電源容量のサーバールームを用意。ラック数は全体の約3分の1で、通常のサーバールームに比べて約2倍の電源容量を備える電源設備を設置した。K5のほかプライベートクラウド用途にも利用する。

 館林データセンターC棟では機器の冷却に外気を積極的に活用する。外気を利用した空調方式でサーバールームを冷却する時間は、1年間の約8割に当たる約7000時間。従来方式では年間約3250時間だった。「国内外で保有している約100カ所のデータセンターの中でも電力効率は最高水準だ」(小林氏)。データセンター全体の消費電力を、サーバーなどのIT機器の消費電力で割ったPUE(Power Usage Effectiveness)値は設計値で1.20となっている。