NECと大阪大学は2016年4月4日、大阪大学吹田キャンパス内に「NECブレインインスパイヤードコンピューティング協働研究所」(NBIC)を4月1日に開設し、脳科学の研究に基づく新しいコンピューティング(脳型コンピューティング)技術に関する共同研究を開始したと発表した。

 脳の特性、すなわち優れた環境適応力、認識力、判断力、高効率な消費電力性などに学んだ新しい情報処理技術として、「脳型コンピューティング」を研究する。情報科学に軸足を置きつつ生命科学と脳科学を融合させる。ロードマップとして、今後3年以内に脳型コンピューティングのプロトタイプを開発する予定。

 研究体制は、以下の通り。研究所長は、大阪大学大学院特任教授の柳田敏雄氏。副研究所長は、大阪大学大学院情報科学研究科教授の村田正幸氏と、NEC主席技術主幹の加納敏行氏。研究所の人員数は、上記の3人を含めて全12人(2016年4月1日時点)。

 NBICの開設によってNECと大阪大学は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の脳情報通信融合研究センター(CiNet)および国立研究開発法人理化学研究所の生命システム研究センター(QBiC)との連携も強化した。協働研究所の所長である柳田敏雄氏は、CiNetのセンター長とQBiCのセンター長を兼ねている。