米Gartnerがこのほどまとめた市場調査リポートによると、携帯電話、パソコン、タブレット端末を合わせた2016年の世界出荷台数は24億1600万台となり、前年から0.6%の伸びにとどまる見通しだ。またこれらの機器に対するエンドユーザーの支出額は前年から1.6%減少すると同社は見ている。

 Gartnerが予測する2016年における携帯電話の出荷台数は19億4300万台で、前年比で1.4%増加する。このうちスマートフォンの出荷台数は15億台に達するが、その前年比伸び率は7%となり、スマートフォン市場の成長は統計を取り始めて以来初めて1桁台に低下すると、同社は予測している。

 Gartnerのリサーチディレクター、Ranjit Atwal氏によると、これまで経済情勢の悪化がスマートフォン市場に及ぼす影響は限定的だった。だが、従来のパターンはもはや当てはまらないという。インドなどの新興国市場が世界携帯電話ユーザーの伸びを後押ししており、インドは今後もスマートフォン販売が2桁の伸びで推移する。しかし新興国おけるスマートフォンの伸びは鈍化傾向にあると同社は指摘している。

 そうした中、中国と北米におけるスマートフォン販売は成長が止まっている。2016年の出荷台数はそれぞれ0.7%増、0.4%増と、ほぼ横ばいで推移する見通し。また北米、西欧、日本、アジア太平洋地域の成熟国では買い替え周期が長期化すると予測している。

 このほかの機器の出荷台数予測は、従来型パソコン(デスクトップ/ノートパソコン)が前年比6.7%減の2億2800万台、高価格帯ウルトラモバイル(Windows 10とIntel x86プロセッサ搭載製品や、米AppleのMacBook Airなど)は同26.6%増の5700万台。これらを合わせた「パソコン」の出荷台数は同1.5%減少する見通し。ただしGartnerは、パソコン出荷台数の前年割れは2016年が最後となり、2017年はプラス成長に転じると予測している。

 一方で、ベーシック型ウルトラモバイル(AppleのiPadやiPad mini、韓国Samsung ElectronicsのGalaxy Tab Sシリーズなど)に対する需要は依然低迷しているという。その2016年の出荷台数は1億8800万台となり、前年から3.4%減少するとみている。

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