米Facebook傘下の米Oculus VRの仮想現実(VR)ゲーム用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Oculus Rift」の出荷が遅れていると、複数の米メディアが報じている。

 Oculus Riftは現地時間2016年1月6日に予約注文の受付が始まり、3月28日に出荷を開始した。正式出荷より一足早く、同社創業者のPalmer Luckey氏が最初の注文者に第1号機を直接届け、Facebookのライブ動画ストリーミング機能を使って3月26日にその様子を実況中継した(関連記事:Oculus Rift出荷 創業者が第1注文者に手渡し、ライブで中継)。

 しかし、一部の早期注文者の手元には商品が届かず、Oculus VRから何も連絡がないまま数日が過ぎたという。Oculus Riftを受付開始から約2時間後に注文した米Forbesの記者は、4月2日の朝にOculus VRから送られてきた電子メールを確認した。メッセージは「もっと早くあなたの注文状況を更新しなかったことをお詫びします」と謝罪し、予想外の部品不足により「残念ながら、一部の早期注文者への出荷予定に影響を及ぼしている」と説明していた。4月12日には同社サイト(oculus.com)上の注文状況を更新する見込みという。また、「本日までにいただいた注文の送料および手数料は当社が負担します」と書かれていた。

 Oculus VRのBrendan Iribe最高経営責任者(CEO)は、米国外への送料も無料にすることを、自身のTwitterアカウントからのツイートで明言している。すでに商品が届いているユーザーも、送料が返金されるという。

 Forbesの記者は、特にビデオゲーム界では在庫不足は珍しいことではないが、連絡や情報がまったくないことが問題だと指摘している。「コミュニケーションはほぼすべてを解決できる。沈黙は憶測を呼び、敵意を生むだけだ」と述べ、腹を立てた多数のユーザーが注文をキャンセルしたようだと報じている。

 一方で米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)は、特に苛立っていないとする注文者の意見を紹介している。1月6日に注文したにもかかわらず商品の配達は5月半ばになると連絡を受けたケンタッキー州在住の男性は、50ドルの送料がタダになることを理由の1つに挙げたほか、「新しい技術を待つのには慣れている。『Wii』にも初代『iPad』にも8時間並んだ」と述べた。