日本航空(JAL)は重量管理システム「Netline Load」で2016年4月1日午前中にシステム障害が発生した件について、Netline Load内に滞留したメッセージを削除したところ正常稼働したと明らかにした。システム障害の影響で国内線46便が欠航し、6670人の足に影響が出たことも分かった(関連記事:JALでもシステム障害、重量管理システムの不具合で遅延・欠航相次ぐ)。

 現在もJALは原因を調査中で、「滞留したメッセージ」の具体的な内容や障害との因果関係は明らかにしていない。Netline Loadは午前7時48分ころに不具合が発生し、午前9時40分に再稼働させた。

 この時「サーバーを再起動し、滞留したメッセージを削除したところ、正常に再稼働した」(JAL広報)という。なぜサーバー再起動に加え、「滞留したメッセージ」を削除したかは明らかにしていない。現在JALはシステムの監視を強化している。

前回とは違う箇所で障害発生

 Netline Loadは約2年前の2014年6月5日にもシステム障害を起こしている(関連記事)。国内線178便が欠航し、約1万4000人に影響が及んだ。

 障害発生から4日後の2014年6月9日、JALの植木義晴社長は「不要なデータを発生・滞留させてしまう不具合があり、これが蓄積して障害が発生した」と述べた(JALシステム障害の原因を社長とCIOが説明、「不要データが滞留」)。要害発生当日はNetline Loadのアプリケーションサーバーに滞留していた不要なデータを削除して復旧させた。

 JALは2014年1月からNetline Loadのアプリケーションに、ルフトハンザドイツ航空のシステム子会社であるルフトハンザシステムの製品を使っている。2014年6月9日の会見時、JALは開発元の修正対応に時間がかかるため、当面はデータ滞留に関する監視を強化しこまめに削除することで対応するとしていた。

 JAL広報によれば「当該不具合はその後に修正プログラムを適用した」という。また「今回と前回は障害箇所が違う」(JAL広報)。植木社長は2016年4月1日昼過ぎに「必ず早期に原因を究明し、二度とこのようなことがないようにする」と話した(関連記事:[続報]「必ず原因突き止めて再発防ぐ」、システム障害でJAL植木社長がコメント)。Netline Loadに二度のシステム障害が発生しことを踏まえての発言とみられる。