NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2016年4月1日、企業向けIaaSクラウド「Enterprise Cloud」において、インメモリー型データベースサーバー「SAP HANA」の実行環境を月額制で提供する「SAP HANAメニュー」()を開始した。SAP HANAのソフトウエアライセンスが別途必要になるが、SAP HANAのハードウエアを初期費用無料かつ最低利用期間無しの月額制で利用できる。

図●Enterprise CloudのSAP HANAメニューの概要
図●Enterprise CloudのSAP HANAメニューの概要
(出所:NTTコミュニケーションズ)
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 価格(税別)は、ベアメタルサーバー(物理サーバー)、外部接続のファイルストレージ、OS(Red Hat Enterprise Linux)、SAP HANAのソフトウエア(ライセンスは含まない)で構成したSAP HANAサーバー機が、メモリー容量256Gバイトの場合に、ハードウエア運用監視サービスを含んで月額27万6800円から。別途、SAP HANA Enterprise Edition 1.0のライセンスが必要になる。

 SAP HANAは、インメモリー処理によって高速に検索できるデータベースサーバー機である。ディスクを内蔵したサーバー機にデータベースソフトを組み合わせたアプライアンス機器であり、欧州SAPがハードウエア仕様を設定し、サーバーベンダー各社がハードウエア部分を提供している。

 SAP HANAには、アプライアンス機のほかに、TDI(テーラードデータセンター統合)と呼ぶ、ハードウエアを自由に組み合わせられる規格もある。SAPが認定するハードウエアを使い、性能や可用性などがSAPの要求仕様を満たす場合に、ユーザー企業が独自にハードウエアを構成できる。これにより、外部接続ストレージなどを利用できる。

 NTTコムは今回、ハードウエアを自由に組み合わせられるTDIに準拠したシステムを、ベアメタルサーバーと外部接続ストレージで構成。これを月額制のクラウドサービスの形でメニュー化した。IaaS基盤には、業務システムを本番稼働させる用途に適した「Enterprise Cloud」を使う。