米Microsoftは、米カリフォルニア州サンフランシスコで現地時間2016年3月30日に開幕した開発者向け年次イベント「Build 2016」の基調講演で、人工知能(AI)ボット開発向けクラウドサービスやWindows 10のメジャーアップデート計画などを発表したが(関連記事:Microsoft、Windows 10大型アップデートを今夏に実施へ)、「Windows Phone」の話題はなかった。

 米PCWorldは、「単純に、たまたまこのときWindows PhoneがMicrosoftのレーダー網に映っていなかっただけだ。しかし問題は、Windows Phoneが再び登場することがあるのかということだ」と、同社のWindows Phoneに対する今後の取り組みに懸念を示している。

 米The Vergeが基調講演を終えたWindows & Devices担当執行バイスプレジデントのTerry Myerson氏に取材したところ、Microsoftが今年はスマートフォンに焦点を当てていないことを明言したという。

 同氏は、「我々は4インチスクリーンに全力で取り組んでおり、それに焦点を当てるべき時が来るだろうが、我々が今後1年にわたって開発者の関心を引き寄せたい中核ではない」と述べた。ちなみに“4インチ”は米Appleが発売したばかりの「iPhone SE」のスクリーンサイズでもある。

 同氏の言葉は「Lumia」の熱心なファンにとってショックだとPCWorldは報じている。しかしPCWorldが引用した米Gartnerの調査データによると、Lumiaはスマートフォンの世界市場におけるシェアがわずか1%しかない。Microsoftはハードウエア分野では「HoloLens」や「Surface」に注力しており、新たなスマートフォンシリーズ「Surface Phone」を立ち上げるとの噂もある。

 一方The VergeはMyerson氏の発言から、MicrosoftがWindows Phoneを見捨てたわけではないと見ている。Myerson氏はスマートフォンに関して「クールな計画」があることを明かした。「しかし今年は、スマートフォンはMicrosoftファミリーの重要な一部ではあっても、最優先に据えることはない」と同氏は強調した。