アメリカ自由人権協会(ACLU)は現地時間2016年3月30日、米Appleだけでなく米Googleも「All Writs Act(全令状法)」に基づくデバイスロック解除命令を受けていたことを示す調査結果を発表した。

 Appleは、昨年12月に米カリフォルニア州サンバーナディーノで起きた銃乱射事件の捜査協力を米連邦捜査局(FBI)に求められ、犯人が所持していた「iPhone」をロック解除するよう裁判所命令を受けたがこれを拒否。AppleとFBIの対立は法廷闘争に発展したが、第三者の協力によりiPhoneのロック解除に成功したとして米司法省(DOJ)が訴訟の取り下げを申請。両社の対立は突如終止符が打たれた(関連記事:DOJがAppleとの訴訟を取り下げ、iPhoneロック解除に成功)。Appleに対する裁判所命令は1789年制定のAll Writs Actを根拠としており、同法の適用は「誤った解釈」であり「違憲」だとAppleは抗議していた。

 ACLUが調べたところ、政府は2008年以降、モバイルデバイスに保存されたデータへのアクセスを目的として、米Appleあるいは米Googleに対してAll Writs Actに基づく要請を63回発令した。ACLUが確認した範囲では、そのほとんどは薬物犯罪捜査に関連したものだった。

 ACLUは調査結果をインタラクティブマップにまとめ、Web上で公開した。地図上の州にカーソルを当てると発令件数が表示され、クリックするとそれぞれの概略、事件番号などを確認できる。

 米CNETによると、All Writs Actに基づくロック解除命令の約9割がApple、約1割がGoogleに対するものだという。

[発表資料へ]