米Microsoftは現地時間2016年3月30日、米サンフランシスコで開幕した開発者向け年次イベント「Build 2016」において、Windows 10登場1周年の大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」を今夏に実施すると発表した。

 Microsoftによると、Windows 10を稼働させているアクティブデバイスは2億7000万台を超え、「『Windows 7』を145%上回るWindows史上最速の導入ペース」だという。

 Windows 10 Anniversary Updateでは、音声アシスタント「Cortana」を強化し、デバイスがロック状態でも、ユーザーが一日を通じて行動認識・予測に基づいた情報やアドバイスを受け取れるようにする。

 生体認証技術ベースのセキュリティ機能「Windows Hello」をさまざまなアプリケーションのログインやWebアクセスに拡大するほか、手書き文字認識機能「Windows Ink」による広範な手書きおよび描画体験と、手書きしたものをデジタルの世界で手軽に共有する手段を提供する。

 また、「Universal Windows Platform」においてCortanaの予測機能すべてを利用できるようにする。Universal Windows Platformには、Windows HelloやWindows Inkといった、Windows 10の最新機能をアプリケーションに統合するためのツールをまとめた「Windows 10 Anniversary SDK」も含まれる。

 さらにMicrosoftは、ビッグデータ解析のクラウドサービス群「Cortana Intelligence Suite」(旧名称「Cortana Analytics Suite」)に加わる2つの新サービスを発表した。

 「Microsoft Cognitive Services」は、自然なコミュニケーション手段を通じてシステムが人間のニーズを把握するために、見る、聞く、話す、理解するといった能力を組み込むためのAPI群を提供する。

 「Microsoft Bot Framework」は、「Office 365」や「Skype」、SMSや「Slack」あるいはWeb上で顧客と自然な会話ができるインテリジェントなボットの作成を支援する。

 Microsoft Cognitive ServicesとMicrosoft Bot Frameworkはいずれもプレビュー版を利用できる。

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