富士通は2016年3月30日、道路舗装の維持管理業務を支援するクラウドサービスを岐阜県内の市町村が4月1日から導入すると発表した()。2014年から岐阜県内などで試験導入していたシステムであり、有効性が確認できたため、有償で本稼働させる。今後、本サービスを利用する岐阜県内の市町村を増やしていく予定。

図●岐阜県内市町村の道路舗装維持管理のイメージ
図●岐阜県内市町村の道路舗装維持管理のイメージ
(出所:富士通)
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通交通・道路データサービス(FTRD)が提供するクラウドサービスで、道路の点検やパトロールを支援する「FUJITSU Intelligent Society Solution道路パトロール支援サービス」を利用する。これにより、道路の舗装状態を見える化し、どの道路を優先的に補修するかを決める作業などをサポートする。

 道路パトロール支援サービスでは、スマートフォンを自動車に積んで走行するだけで、内蔵している加速度センサーによって、自動的に道路の凹凸情報を収集できる。これを地図情報と組み合わせることによって、舗装状態を診断する。さらに、報告書の作成を支援する機能として、走行中に発見した障害物や舗装の損傷などの写真を撮影し、コメントと合わせて地図上にマッピングして保管できる。

 プロジェクトには、富士通とFTRDのほかに、岐阜県建設研究センターと岐阜大学が関わっている。岐阜県建設研究センターは、道路舗装状態の見える化や補修優先度の決定に関してクラウドサービスの機能を検証して確認する。クラウドの運用や活用方法の提案なども行う。岐阜大学は、これらについて技術的な助言をする。