総務省は2016年3月30日、「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」のフォローアップ調査の結果を発表した。総務省は2016年1月20日から2月19日までの間、同調査を実施していた。

 ガイドラインの認知度に関する質問項目に対し、放送事業者は76.5%が「知っている」と回答した。一方、番組制作会社における同様の回答の割合は69.0%で、放送事業者に比べて7.5ポイント低かった。

 取引内容に関する質問項目では、発注者からの書面交付について、番組制作会社のうち40.9%が「交付を受けなかった場合があった」もしくは「交付を全く受けなかった」と回答した。放送事業者における「交付しない場合があった」もしくは「交付を全くしていない」という回答の割合は23.8%だった。

 このほかにも回答割合について、放送事業者と番組製作会社との間で極端な違いが見られた項目も示された。例えば、放送番組の製作委託を受ける際の取引価格の決定について、番組製作会社の30.6%が「事前に協議の機会を設けられない場合があった」もしくは「協議の機会を設けられない」と回答した。一方、放送事業者での「事前に協議をしていない場合があった」もしくは 「事前に協議をしていない」という回答の割合は0.6%にとどまった。

 総務省は今回の調査結果を基に、放送事業者および番組製作会社に対して、ガイドラインの一層の周知啓発を図っていく方針である。さらに今後、ガイドライン改正についての検討開始を予定する。

 下請け事業者である中小企業の取引条件改善については、取引実態を把握して必要な検討を行うため、2015年12月21日に「下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議」(議長:世耕弘成・内閣官房副長官)が発足している。総務省も関係省庁として同会議に参加している。

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