韓国Samsung Electronicsは現地時間2016年3月29日、中国でモバイル決済サービス「Samsung Pay」の正式提供を開始したことを明らかにした。

 中国China UnionPay(中国銀聯)との提携により、UnionPayクレジットカードあるいはデビットカードを所有するSamsungスマートフォンユーザーは、「手軽で安全、便利なモバイル決済が行える」としている。

 中国でSamsung Payが使用できる機種は現在「Galaxy S7」「Galaxy S7 edge」「Galaxy S6 edge+」「Galaxy Note5」で、さらに対応機種を拡大するという。

 China CITIC Bank(中信銀行)、China Construction Bank(中国建設銀行)、China Everbright Bank(中国光大銀行)、China Guangfa Bank(広発銀行)、China Minsheng Banking(中国民生銀行)、China Merchants Bank(招商銀行)、Hua Xia Bank(華夏銀行)、Industrial and Commercial Bank of China(中国工商銀行)、Ping An Bank(平安銀行)の9行が発行するカードをサポートする。さらにBank of China(中国銀行)、Bank of Beijing(北京銀行)など6行を加える予定。

 Samsung Payは、NFCとMST(Magnetic Secure Transmission)をサポートしており、NFCベースのPOS端末に加え、非NFC対応のPOS端末でも決済を行える。

 Samsungは昨年9月に米国でSamsung Payをスタートした際に、中国への拡大を示唆していた(関連記事:「Samsung Pay」が米国でスタート、中国・スペイン・英国にも拡大へ)。中国ではスマートフォンによる支払いはすでに広く普及しており、米VentureBeatが引用した中国インターネット情報センター(CNNIC)の調査データによると、3億5800万人がモバイル決済を利用している。

 大手モバイル関連各社は中国に相次いで参入しており、米Appleは先月、中国で「Apple Pay」を開始した(関連記事:Apple、「Apple Pay」を中国で開始、中国2大サービスに対抗)。中国Huawei Technologies(華為技術)もモバイル決済サービスの計画を進めていると先週報じられ(関連記事:激化する中国モバイル決済市場 Huaweiも今春サービス開始か)、いずれもUnionPayと提携している。

 中国モバイル決済市場は、中国Alibaba Group(阿里巴巴)の関連金融サービス事業が手がける「Alipay」と中国Tencent Holdings(騰訊控股)の「WeChat Payment」が大部分のシェアを占めており、特にAlipayは約4億人のユーザーを抱えている。

[発表資料へ]