米国の市場調査会社、eMarketerがこのほど公表した米国の広告市場に関するリポートによると、2016年における同国のメディア広告支出額合計は1920億ドルとなり、前年実績から5.1%増加する見通し。このうちテレビ広告への支出額は前年比2.5%増の706億ドル、インターネット広告への支出額は同15.4%増の688億2000万ドルになると予測している。

 同社によると、2016年は米大統領選挙やリオデジャネイロ五輪があり、同国のテレビ広告市場はいくらかその恩恵を受ける。しかし、テレビは視聴者数の減少、ビデオオンデマンド(VOD)やストリーミング配信サービスとの競争が激化しており、今後厳しい状況に直面するという。

 eMarketerの推計によると、2016年におけるテレビ広告支出額の同国メディア広告全体に占める比率は36.8%となる見通し。これに対しインターネット広告のメディア広告全体に占める比率は35.8%になると推計している。

 テレビは依然、同国広告市場で最大のシェアを持つ。だがインターネット広告はテレビ広告の6倍超の伸び率で拡大しており、2017年にはテレビを追い抜くとeMarketerは見ている。インターネット広告はその後も順調に伸び続け、2020年には支出額が1052億1000万ドルとなり、メディア広告全体の44.9%を占めると予測している。またインターネット広告の中で急成長しているのはモバイル広告で、2016年は前年比38%増の436億ドル、2017年は同21%増の527億6000万ドルに拡大すると予測している。

[発表資料へ]