2016年3月21日、クックパッドとソニーの共催という、ユニークな座組みのアイデアソン「未来のクッキングを描くアイデアソン」が開催された(写真1)。

写真1●2016年3月21日にクックパッド本社で行われた「未来のクッキングを描くアイデアソン」
写真1●2016年3月21日にクックパッド本社で行われた「未来のクッキングを描くアイデアソン」
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 ソニー側の実施主体は、MESH Project。2015年夏、ソニーの新規事業創出プログラム(Seed Acceleration Program:SAP)から生まれたプロジェクトである。MESHとは、動き、明るさ、人感、ボタンなど、それぞれに機能を与えた全7種類の電子タグであり、新世代のモノづくりキットとして注目を浴びている。

 その特性上、どうしても電子工作に目が向きがちだが、Webサービスを連携させるWebサービス「IFTTT」や米グーグルの「Gmail」との連携によりネットワーク通信機能を取り込めるなど、MESHにはIoT(Internet of Things)的要素もある。こうした特長を生かし、外部の企業や団体と協業して新しい活用法を生み出していくことを目指している。

 クックパッドとしては、日本最大の料理レシピサービスという立場を生かして、IoTなどを取り入れながら、未来の料理体験をデザインしたいという意向がある。今回は、その両者の思惑が合致して、開催に至ったというわけだ。開催には、ソニーと日経BPのバーチャルラボである、「Smart eXperience Lab」(SXLab)が運営協力した。

8チーム合計48人が参加、顕著な女性比率の高さ

 会場となったのは、本格的なキッチンを完備した東京・恵比寿のクックパッド本社。ここに48人が集い、1チーム6人ずつ、A~Hまで合計8チームに分かれてアイデアソンがスタートした。「クッキング」をテーマとしたこともあり、一般的なハッカソンに比べて女性の比率が大変高かった。参加者の多くがMESHを実際に使うのが初めてだったため、その機能にとらわれない柔軟な発想が期待できそうだ。

写真2●実際に料理をしながらアイデアを模索する
写真2●実際に料理をしながらアイデアを模索する
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 午前の部は、それぞれのチームが料理を作ることから始まった(実際には、キッチンスペースの都合上、4チームごとに料理組、アイデア提出組に分かれて進行)。一見すると、和気あいあいとした料理教室のようだが(写真2)、実は開会のインプットセミナーであり、「お題」が与えられている。それは作る前から作った後まで、料理をしながら感じたことを話したりメモしたりしながら“アイデアの素”を見つけることだ(写真3、4)。

写真3●続々とアイデアがたまっていく
写真3●続々とアイデアがたまっていく
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写真4●アイデアのまとめ方はチームによって特徴がある
写真4●アイデアのまとめ方はチームによって特徴がある
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