図1●高松市に導入した観光情報発信用デジタルサイネージのイメージ
図1●高松市に導入した観光情報発信用デジタルサイネージのイメージ
(出所:NEC)
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図2●デジタルサイネージの設置場所
図2●デジタルサイネージの設置場所
(出所:NEC)
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 NECは2016年3月25日、高松市(香川県)の観光情報を発信するデジタルサイネージ装置を高松市内の5カ所に設置すると発表した(図1)。高松市からの事業委託を受けて構築したもので、4月1日に稼働を開始する。特徴は、QRコード(2次元バーコード)を介して目的地までの地図を案内する機能や、交通系ICカードに登録した言語情報を利用してコンテンツ表示言語を切り替えられる機能など。

 空港やフェリー乗り場など、高松市内で観光客がよく訪れるスポット5カ所(図2)にデジタルサイネージ装置を設置し、観光案内のコンテンツを6言語で表示する。コンテンツは、高松市が運営する観光Webサイト「高松旅ネット」と連携し、タッチパネルに合わせて画面レイアウトを自動変換して表示する。画面レイアウトのデザインや表示コンテンツの翻訳は凸版印刷が担当した。

 デジタルサイネージ装置の設置場所は、玉藻地区フェリー乗り場、高松シンボルタワー(オリーブタワー内)、JR高松駅、ことでん瓦町駅、高松空港、の5カ所。コンテンツ表示言語は、日本語、英語、中国語(簡体、繁体)、韓国語、仏語の6言語である。

 機能の特徴の一つは、デジタルサイネージで検索した情報や、目的地までの地図を、QRコードを介してスマートフォンに表示させられること。観光客は、デジタルサイネージが生成したQRコードをスマートフォンで読み取ってWebアクセスすることで、観光Webサイトの該当ページや、目的地情報を入力したGoogle Mapの地図を表示できる。

 機能面でのもう一つの特徴は、交通系ICカードと連携してコンテンツ表示言語を制御できることである。今回の取り組みでは、高松琴平電気鉄道の交通系ICカードである「IruCa(イルカ)」を利用し、言語情報を登録したIruCaを180枚発行した。これをデジタルサイネージのICカードリーダーにかざすだけで、表示言語を切り替えられる。詳細な運用方法は未定だが、発行済みの180枚のICカードをやりくりして使う。

 デジタルサイネージ装置の通信インフラには、NECの「デュアルモバイル回線サービス」を採用した。ISDNやADSLなどの有線回線の代わりに携帯電話インターネット回線を利用してインターネットに接続するもので、au回線とBIGLOBE(NTTドコモ)回線の二つのモバイル回線を電波状況に応じて自動的に切り替えることで、安定したインターネット接続を維持する。