米Yahoo!の株主である米Starboard Valueは現地時間2016年3月24日、Yahoo!取締役会に宛てた書簡(PDF文書)を公開し、取締役会の全入れ替えを目指して9人の取締役候補を指名することを明らかにした。

 Starboardは同書簡の中で、「残念ながら、Yahoo!の悲惨な財務業績、幹部の乏しい執行能力、甚だしい報酬や採用慣習、取締役会の監視および責任能力の欠如に極めて失望している。取締役会がリーダーシップと客観性、株主に最良の価値をもたらす意思決定に必要な総体的視点に欠けていることは明らかだ」と述べている。

 Starboardは約1年半前からYahoo!の経営建て直しを繰り返し求め、今年1月に、経営幹部と戦略の刷新を迫るとともに、委任状争奪戦を仕掛ける可能性を示唆していた(関連記事:物言う株主StarboardがYahoo!に経営陣の刷新を要求)。

 Yahoo!は2月に成長のための新たな戦略計画を発表。製品ポートフォリオを単純化し、非戦略的事業の売却を検討するほか、従業員人の削減、一部事業の閉鎖などを明らかにしている(関連記事:巨額赤字の米Yahoo!がスリム化へ、非戦略的資産の売却も検討)。

 Starboardが推薦する取締役候補には、同社の最高経営責任者(CEO)兼最高投資責任者のJeffrey Smith氏や、米NBCUniversalの初代テレビネットワーク事業担当プレジデントだったBridget Baker氏、米Tribuneの元CEOで米DIRECTVの会長兼CEOなども務めたEddy Hartenstein氏が含まれる。

 Starboardの動きを受け、Yahoo!は同日、「同社取締役会の指名およびガバナンス委員会がStarboardによる候補者を検討し、いずれ回答する」との声明を発表した。

[発表資料(Starboardのプレスリリース)]
[発表資料(Yahoo!のプレスリリース)]