コールセンター向けIP-PBX(構内交換機)ソフトを開発するインタラクティブ・インテリジェンスは2016年3月23日、無償で利用できる企業向けコラボレーションツール「PureCloud」の提供開始を発表した。今後1年間で50社の契約を目指す。同社のポール・伊藤・リッチー日本支社長は、「コミュニケーションエンゲージメントのクラウドベンダーのなかでナンバーワンを目指す」と意気込みを語った(写真)。

写真●インタラクティブ・インテリジェンスのポール・伊藤・リッチー日本支社長
写真●インタラクティブ・インテリジェンスのポール・伊藤・リッチー日本支社長
[画像のクリックで拡大表示]

 PureCloudは、米国では2015年6月にサービスを開始している。今回サービス提供を開始したPureCloudは、AWS(アマゾン ウェブ サービス)の東京リージョンに構築した日本向けサービス。ウェブブラウザーで利用できるほか、デスクトップ向けやモバイル端末向けの専用アプリケーションも用意している。

 利用できる機能の違いに応じて3つのメニュー「Collaborate」「Communicate」「Engage」を用意した。無償提供されるのはCollaborateで、インスタントメッセージ、チャット、ビデオ会議、ファイル共有の各機能を利用できる。ファイル共有機能では、1ユーザー当たり最大1TB(テラバイト)が割り当てられる。

 ただし、Collaborateは個人ごとにアカウントを作成するメニューで、企業ごとにアカウントを一括作成・管理する機能は備えていない。CommunicateとEngageのいずれかであれば、情報システムの担当者が社員とアカウントをひも付けて一括管理するといった使い方が可能になる。この2つのメニューは有償で、1ユーザー当たりの月額利用料は、Communicateが2399円、Engageが8399円。

 Communicateでは、Collaborateの全機能に加えて、クラウド上に構築したIP-PBX(構内交換機)の各種機能を利用できる。外線/内線通話、FAX受信、電話会議、通話録音などの機能を提供する。Engageは、Communicateの全機能にコールセンター向け機能を追加したメニューで、マルチチャネルルーティング、IVR(音声応答機能)、アウトバンド(電話発信機能)、レポートなどの機能を備える。

 CollaborateはWebサイトからアカウントを作成すればすぐに利用できるが、CommunicateとEngageはIP-PBXの設定作業などがあるため、同社や同社の販売パートナーが導入支援したうえで利用を開始する形になる。このため、導入支援の費用や設置するIP電話機の費用などが別途かかる。

■変更履歴
記事中に誤りがありました。冒頭で「コールセンター向けCRM(顧客関係管理)ソフト」とあったのは、「コールセンター向けIP-PBX(構内交換機)ソフト」の誤りです。また、最後の段落で「同社の販売パートナーが導入支援」とあったのは、「同社や同社の販売パートナーが導入支援」の誤りです。お詫びして訂正いたします。 [2016/03/25 16:35]