日立製作所は2016年3月23日、顧客の声を分析・活用して業務改善に役立てるSIサービスを「音声データ利活用ソリューション」()としてメニュー化したと発表した。コールセンターや店舗で集めた顧客の音声データを、商品情報などの業務データと結び付けて分析するシステムを構築する。第一弾として、(1)「音声分析システム構築サービス」と(2)「音声データ利活用サービス」を4月22日から提供する。

図●音声データ利活用ソリューションの概要
図●音声データ利活用ソリューションの概要
(出所:日立製作所)
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 第一弾として二つのSIサービスを用意した。(1)の音声分析システム構築サービスは、通話録音データを分析・活用するシステムを実際に構築するサービス。価格(税別)は、音声録音ソフトと音声認識ソフトのライセンス費用が100席相当で2000万円から。別途、ハードウエア費用やSI費用が必要になる。(2)の音声データ利活用サービスは、通話録音データを分析する方法を検討したり、効果の検証を支援する。

 (1)の音声分析システム構築サービスは、音声録音から音声認識、各種テキストマイニングまでをトータルに提供するサービスである。音声の分析に必要なシステム環境を短期間で導入できる。

 構成ソフトは、通話録音ソフト「RecwareIII」(日立情報通信エンジニアリング)、音声データを全文テキスト変換する音声認識ソフト「Speech Recognition Platform」、テキストマイニングソフト、の三つ。テキストマイニングソフトは、「CoreExplorer」(日立ソリューションズ東日本)や「TRUE TELLER」(野村総合研究所)を使う。

 新たに開発した音声認識エンジンは、通話環境のさまざまな雑音下でも高い認識率を実現できるようにディープラーニングを用いた。また、声の大きさや高さ、速度といった非言語情報を抽出して定量化する機能も備えており、テキスト化される言語情報以外からも会話の状況や特徴を捉えることができるとしている。

 (2)音声データ利活用サービスは、音声データと業務データを連携させたデータ分析を支援したり、効果の検証を実施する。例えば、コールセンターなどに蓄積される通話録音データとCRM(顧客関係管理)や販売実績などの業務データを連携させ、問い合わせやクレームの内容を顧客の年齢や性別などの属性情報や購買履歴と結び付けて、その相関関係を明らかにする。