全米レコード協会(RIAA)が現地時間2016年3月22日に公表した音楽販売統計によると、2015年における米国の音楽売上高は小売りベースで70億ドルとなり、前年から0.9%増加した。ストリーミングサービスが引き続き堅調に伸び、ダウンロード販売や物理メディア販売の落ち込みを補った。また2015年における卸売り売上高は0.8%増の49億5000万ドルとなり、5年連続で前年実績を上回った。

 2015年の音楽売上高は、ストリーミングサービスが全体の34.3%を占め、ダウンロード販売の34.0%、物理メディア販売の28.8%、シンクロナイゼーション・ロイヤリティー(テレビ、CM、映画などからの楽曲使用料)の2.9%が続いた。RIAAによると音楽の販売形態別売上高で、ストリーミングサービスの比率が最大となったのは初めてで、2015年は節目の年だったという。

 ストリーミングサービスには(1)SpotifyやApple Music、TIDALなどの有料サブスクリプションサービス、(2)PandoraやSIRIUS XMなどのインターネットラジオ/衛星ラジオ、(3)YouTubeやVEVOなどの非サブスクリプション・オンデマンドサービスがあるが、いずれも売上高が増加した。その2015年における合計売上高は前年比29%増の24億ドルとなり、初めて20億ドルの大台を突破した。

 このうち最も売上高が多く、最も成長が速いのは(1)の有料サブスクリプションサービス。その2015年における売上高は前年比52%増の12億ドルとなった。また有料サブスクリプションサービスの契約件数は前年の770万件から1080万件へと40%増加した。

 米国音楽販売の形態を大別して見ると、デジタル(ストリーミング、ダウンロード、着信・呼び出しメロディー)の比率が70%、物理メディア(CD、アナログレコードなど)が30%。デジタルではダウンロード販売が23億ドルと、前年から10%減少したが、デジタル全体では同6%増の48億ドルに拡大した。一方で物理メディアの売上高は同10%減の20億ドル。ただしアナログレコードは前年比32%増の4億1600万ドルを記録し、1988年以来の高水準となった。

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