午前11時40分ごろの新千歳空港
午前11時40分ごろの新千歳空港
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 全日本空輸(ANA)のシステム障害によって、2016年3月22日午後3時現在、127便が欠航し1万6100人に影響することが分かった。朝8時22分に予約や販売、搭乗を管理するシステムに不具合が発生した(関連記事:ANAのチェックイン・予約システムに障害)。遅延便は「カウントできていない」(ANA広報)。

 システム障害の影響は、システムを共有してコードシェア便を運営する4社にも広がった。午後2時時点の取材で、AIRDOは欠航6便・遅延26便、2000年からシステムを共有しているアイベックスエアラインズは欠航4便・遅延21便、ソラシドエアは欠航6便・遅延25便、スターフライヤーは欠航12便・遅延14(午後1時時点)と回答した。コードシェア便を運営する1社は「対応に追われている。ANAのシステム障害なので当社は復旧を待つばかり」と話した。

 不具合を起こしたのは国内線旅客システム「ANACore(アナコア、開発コード名)」。ANAは国内線旅客システムを長くメインフレーム上で「able-D(エーブルディ)」というシステム名で稼働させていたが、2013年2月に日本ユニシスなどと協力してUNIXサーバー上に同名で再構築して稼働させた(関連記事関連記事)。

午後1時ごろの伊丹空港
午後1時ごろの伊丹空港
(読者提供)
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 ANACoreのうち、空港の搭乗システムは11時30分ごろに復旧した。「お客様へのご迷惑を最小限にとどめるため、復旧を最優先した。原因の究明などはこれから」(ANA広報)。予約販売系システムも徐々に復旧してきているという。

 ANAは国内線旅客システムの再構築前、たびたびチェックインシステムの障害を起こしている。2010年7月には国際線で19便3919人が影響を受けた(関連記事)。2008年9月には国内線でのシステム障害で約6万8000人の足に影響が出た(関連記事関連記事)。この1年前の2007年5月にも約7万9300人が影響を受けたシステム障害が発生している(関連記事関連記事)。

■変更履歴
記事公開後にシステム名称を訂正しましたが、最終的に国内線旅客システムの名称は再構築前後も「able-D(エーブルディ)」で、新システムの開発コード名が「ANACore(アナコア)」と確認取れました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2016/04/12 14:45]