米Appleと韓国Samsung Electronics間で争われている特許侵害訴訟に関して、米連邦最高裁判所は現地時間2016年3月21日、Samsungの上訴を受理する決定を下したと、複数の米メディア(New York TimesCNETなど)が報じた。

 Samsungは、Appleのユーティリティー特許およびデザイン特許を侵害したとの判決を受け、昨年12月初めに約5億5000万ドルの損害賠償を支払うことで同意した。しかしデザイン特許に関する裁決を不服として、同月半ばに最高裁に上訴を申し立てた(関連記事:Samsung、Appleとの特許侵害係争で最高裁に上訴)。

 Samsungは、デザイン特許の法的枠組みが時代遅れであるとし、「この判例によって影響を受けるおそれがある大小すべての米企業のために、最高裁に上訴することが重要だと考える」と述べていた。最高裁で最後にデザイン特許に関する問題が取り上げられたのは1800年代のことで、当時の訴訟ではスプーンやカーペットのデザインについて争われた。

 Samsungが支払いを命じられた賠償額5億4800万ドルのうち、デザイン特許に関する賠償は3億9900万ドルを占める。Samsungは最高裁が上訴を認めたことを受け、「裁決の見直しにより、創造性を支援し、革新に報いるという特許法の公正な解釈が導き出される可能性がある」とのコメントを発表した。

 なおAppleはこの件についてコメントを出していない。米Wall Street Journalの報道(閲覧には有料登録が必要)によると、最高裁での口頭弁論は10月に始まる見込み。