写真1●中央省庁対抗のサイバー攻撃対処競技会「NATIONAL 318(CYBER) EKIDEN」の様子。駅伝にちなんでたすきをかけ、サイバー攻撃への対処を競う
写真1●中央省庁対抗のサイバー攻撃対処競技会「NATIONAL 318(CYBER) EKIDEN」の様子。駅伝にちなんでたすきをかけ、サイバー攻撃への対処を競う
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写真2●各チームの進捗状況。序盤は総務省と防衛省がリード
写真2●各チームの進捗状況。序盤は総務省と防衛省がリード
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写真3●首相官邸で行われた表彰式の模様
写真3●首相官邸で行われた表彰式の模様
(写真提供:内閣サイバーセキュリティセンター)
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 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)と総務省は2016年3月18日、「サイバー(318)の日」にちなんで中央省庁対抗のサイバー攻撃対処競技会「NATIONAL 318(CYBER) EKIDEN」を開催した(写真1)。昨年(関連記事)に続く2回目で、内閣府、警察庁と11省を含む全省庁から、庁内ネットワーク・セキュリティ担当者をメンバーとする13チーム、51人が参加した。

 演習のシナリオは、2015年10月以降に中央省庁や特殊法人などを対象に実施した「実践的サイバー攻撃防御演習(CYDER=サイダー)」とほぼ同じ(関連記事:総務省が年金機構事件を基にしたサイバー攻撃防御演習、11組織が参加)。シナリオの策定はNECが、演習用の仮想サイバー空間の提供は北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)が担当した。

 シナリオは、日本年金機構で起こった標的型攻撃メールを端緒とする情報漏洩事故が基になっている。今回の競技会ではCYDERであった講師の支援がなく、各チームが独力で演習をこなす所要時間を競った(写真2)。

 所属省庁に標的型攻撃メールが着信したという想定で、調査・対処の速さを競う。技術面だけではなく、受信者への対応や幹部への報告、外部セキュリティベンダーへの依頼などで適切なコミュニケーションができたかどうかも重視される。

 同日夕方に首相官邸で表彰式が行われた(写真3)。菅義偉官房長官(サイバーセキュリティ戦略本部長)が総合優勝した警察庁チームに、高市早苗総務相がチームワークに秀でたとされた厚生労働省チームに、遠藤利明五輪相が最難関「第4区」の区間トップだった文部科学省チームに、それぞれ賞状を手渡した。