写真●エディオンネットショップ
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(出所:エディオン)
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 日本オラクルは2016年3月17日、家電量販店大手のエディオンが「Oracle Exadata Database Machine」を導入したと発表した。Oracle Exadataは、Oracle Databaseに最適化された専用機。エディオンはデータ処理能力を引き上げ、年末年始や決算時期など繁忙期を乗り切る体制を整えた。

 「エディオン統合システム」の性能向上がシステム再構築の狙い。このシステムでは、売上や在庫、会員のポイント情報などのデータをリアルタイムで更新。これらデータを管理部門が管理会計レポートなどで利用する。2009年の運用開始から店舗数や会員数が大幅に増え、データ増加に伴う処理遅延が弊害として目立ってきた。「繁忙期はリアルタイム更新の遅延でPOSシステムの在庫ステータスに不整合が生じることがあったし、夜間バッチの処理時間も長くなってきた」(エディオン IT物流サービス本部 情報システム部の小西洋和氏)。

 基幹システムの再構築に当たり、「Linux+SSDストレージ+I/Oアクセラレータ」の構成とOracle Exadataを比較。導入前に実機検証したところ、「Oracle Exadataは既存システムに比べ約5倍、処理性能が向上できると分かった」(小西氏)。コスト比較でも従来比で63%程度の削減が見込めたという。小西氏は「システム刷新に伴って管理や運用体制を強化する必要がないので、目に見えないコスト削減効果も得られた」と話す。

 Oracle Exadataへの移行により、繁忙期のCPU使用率は90%減、夜間バッチの処理時間は42%減と処理能力に余裕が生まれた。7テラバイトに上る本番系データの移行作業では、データ統合製品「Oracle GoldenGate」を使い、移行に伴う停止時間を1時間に抑えた。Oracle Exadataの導入やプロジェクト全体の管理はNECが担当。新基幹システムは2015年2月に稼働開始した。