パサイ市との提携調印式に臨むGMSの中島徳至社長(右)
パサイ市との提携調印式に臨むGMSの中島徳至社長(右)
(出所:グローバルモビリティサービス)
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 グローバルモビリティサービス(GMS)は2016年3月16日、低所得者層向けの自動車提供事業に関してフィリピンのパサイ市と提携したと発表した。特徴はIoT(Internet of Things)技術を活用して、事前の与信審査なしに自動車を提供する仕組みを整えたこと。自動車の課金情報や利用状況を一元管理。料金支払いが滞ったらネット経由で車両を停止するといった仕組みで、未回収リスクを減らす。

 同社が提携したフィリピン都市はケソン市、マカティ市に続き三つめ(関連記事)。GMSはITの活用で、フィリピンの社会課題の解決と自社ビジネスの成長の両立を目指す。

 GMSの事業は独自開発したIoT機器とクラウドサービスを使って、自動車を月額払い方式などで提供するものだ。車両の燃費やスピード、運転経路、ブレーキの状況といった情報を常に収集。利用者の入金情報なども、クラウドで一元管理する。

 この仕組みを基に、代金を一括払いしたりローンを組んだりできない低所得者層向けに、携帯電話のように月額などで料金を支払う方式で自動車を提供する。利用者からの料金支払いが滞ったらネット経由で車両を停止。それでも支払わない場合には、位置情報を基に車両を回収する。

 GMSが提携したパサイ市はフィリピンの首都圏に位置し、大規模なショッピングモールやリゾート施設の建設が進む。経済発展に伴って交通量が増加する一方、市内には旧式の自動三輪車が多く排気ガスによる大気汚染が深刻化しているという。

 パサイ市は今後、排気ガスの少ない新型車両の導入を進める考え。新型車両を購入する余力のない市民でも利用しやすいGMSのサービスを使うことで、普及を後押しする。