ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は2016年3月15日、福岡県のIT企業であるハウインターナショナルと共同で、ブロックチェーン技術の共同研究を開始すると発表した。ポイント交換や決済サービスといった分野での適用可否を検証するという。FFGが進める「iBank(仮称)」構想での活用も視野に入れている。

 共同研究は約3カ月間を想定しており、早ければ2016年4月にも開始する。FFGが適用業務のユースケースを提示。ハウインターナショナルが提供する検証用のブロックチェーン環境でアプリケーションを稼働させ、実際の業務に適用可能かを見極める。FFGは、スマートフォンをベースとした金融サービスプラットフォームを構築し、銀行自らが様々なFinTechサービスを提供する「iBank」構想に力を入れている。ブロックチェーン技術を、同プラットフォームにも応用したい考えだ。

 FFGが手を組むハウインターナショナルは、福岡に本社を置く1999年創業のIT企業。2016年2月には、近畿大学産業理工学部山崎研究室と連名でブロックチェーン技術を活用した電子投票システムを開発し、「第8回フクオカRuby大賞」の優秀賞を獲得した実績を持つ。

 ハウインターナショナルは、2016年3月15日付でブロックチェーンの実証環境「Chaintope」の提供サービスを発表した。ChaintopeはAWS(Amazon Web Services)上に構築したパブリックチェーンの検証環境で、各ノードはビットコインのクライアントソフト「Bitcoin core」を搭載している。ChaintopeのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)などを介して、外部アプリケーションを接続可能だ。

 コンソール経由でノード追加や削除ができるほか、取引記録を格納するブロックを任意のタイミングで追加可能なため、検証作業をスムーズに実施できるという。ビットコインのパブリックチェーンではブロックの追加が約10分に1度と決められており、待ち時間を生じる。