写真1●VCE VxRail Applianceの外観
写真1●VCE VxRail Applianceの外観
(出所:EMCジャパン)
[画像のクリックで拡大表示]
図●VCE VxRailでは、ユーザーがCPU/メモリー/ドライブ構成を指定できる
図●VCE VxRailでは、ユーザーがCPU/メモリー/ドライブ構成を指定できる
(出所:EMCジャパン)
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●米EMC、VxRailおよびVCEコンバージドインフラストラクチャ製品担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのギル・シュナーソン氏
写真2●米EMC、VxRailおよびVCEコンバージドインフラストラクチャ製品担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのギル・シュナーソン氏
(出所:EMCジャパン)
[画像のクリックで拡大表示]

 EMCジャパンは2016年3月15日、中小企業向けの仮想化サーバー機「VCE VxRail Appliance」(写真1)を発表、同日提供を開始した。米ヴイエムウェアの「EVO:RAIL」仕様に準拠した既存製品「VSPEX Blue」とは異なり、1ノード当たりのプロセッサやメモリーの数量を利用企業が指定できるようにした。

 PCサーバーに仮想化ソフトや分散ストレージ、ネットワークといったシステム基盤を統合した“ハイパーコンバージドインフラストラクチャー”製品のひとつ。アプライアンスの台数を増やすスケールアウトによって、仮想マシンの収容能力を増やせることが利点である。

 ストレージを内蔵したサーバー機に、分散ストレージソフトとサーバー仮想化ソフトを搭載している。仮想マシン40台規模からスタートして、3200台規模にまで拡張できるとしている。VDI(デスクトップ仮想化)システムなどに利用する。

 採用しているソフトはサーバー仮想化ソフトの「vSphere」と、分散ストレージソフトの「Virtual SAN」(VSAN)である。この組み合わせを持つ米EMCの既存製品には、中小規模向けのVSPEX Blue(VMware EVO:RAIL仕様)や、大規模向けの「VCE VxRack System 1034」(VMware EVO SDDC仕様)がある(関連記事:VCE、VMware EVO SDDC搭載のデータセンター基盤サーバーを発表)。

CPU/メモリー/ストレージを細かく指定可能に

 新製品のVxRailは、中小規模向けの既存製品であるVSPEX Blueの後継に当たる。既存製品と比べた特徴のひとつは、ハードウエア構成や数量が一律ではなく、細かく指定できること。1ノード当たりのスペックは、SSD/HDDハイブリッドモデルの場合、プロセッサが6~20コア、メモリーが64G~512Gバイト、ストレージが3.6T~10Tバイトから選択できる()。構成を決めて発注してから7日以内に工場から出荷する。

 「ユーザーはハードウエア構成に柔軟性を求めている」。米EMCのギル・シュナーソン氏(写真2)は、こう指摘する。シュナーソン氏はEMCでVxRailおよびVCEコンバージドインフラストラクチャ製品担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務める。

 まずSSD/HDDハイブリッドモデルの提供を3月15日に開始した。2016年第2四半期に、SSDだけで構成したオールフラッシュモデルの提供を開始する予定である。価格(税別)は、ハイブリッド構成の最下位モデル「VxRail 60」の最小構成(2Uラック1台、4ノード合計で、24コア、メモリー256Gバイト、ストレージ14.4Tバイト)で750万円から。

 VxRailが採用している分散ストレージソフトの最新版、Virtual SAN 6.2では、重複排除機能やイレイジャーコーディングといった、オールフラッシュストレージに向いた機能拡張が施されている。これらによって容量効率が上がる。ヴイエムウェアでチーフエバンジェリストを務める桂島航氏はVirtual SANについて、「分散ストレージソフトの事実上の標準。世界で3000社以上が使っている」とアピールした。