中国のスマートフォンメーカー、Xiaomi(小米科技)がまもなく自社のeコマースサイトで自転車の販売を始めると米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)が現地時間2016年3月14日に報じた。

 Xiaomiは自社の直販サイトでスマートフォンをはじめ、さまざまな電子機器を販売したり、出資する提携企業を通じて電動立乗りスクーターなどを販売したりしているが、今回の自転車もそうした製品多角化戦略の一環だという。

 Wall Street Journalによると、この自転車はXiaomiが出資するIRidingという新興企業がまもなく立ち上げる製品。フレーム素材がカーボンファイバーの軽量ロードバイクで、自動車愛好者やプロに向けるという。この自転車は各種のセンサーやメーターが装備されるスマートバイクとも呼べる製品で、価格は3000ドル相当(約34万円)。

 Xiaomiはこれを自社のeコマースプラットフォームの1つである「QiCycle」というブランドサイトで販売する。このほか、Xiaomiは価格が450~550ドル程度の電動アシスト自転車を数カ月以内に自社ブランドで発売する計画だとWall Street Journalは伝えている。

 Xiaomiは現在、直販サイト「Mi Store」でスマートフォンのほか、タブレット端末、モバイルバッテリー、フィットネスバンド、ヘッドフォンなどを販売しているが、取り扱い製品はこれら小型電子機器にとどまらず、体重計や空気清浄機、浄水器、立乗り電動2輪車「九号平衡車」など多岐にわたる(関連記事:Xiaomiが出資するNinebot、小型立乗りスクーター「Ninebot mini」を発売へ)。

 これらは、多くがXiaomiが出資するパートナー企業の製品。ただ、中には電源タップや乾電池といった、スマート製品あるいはハイエンド製品とは呼べないものもあり、こうしたXiaomiの幅広い多角化戦略の効果について懐疑的に見る業界関係者もいる、とWall Street Journalは伝えている。

 なおXiaomiは、多様な取り扱い商品が消費者の混乱を招く恐れがあると考えている。そのため、3月末までにエコシステム商品の新たなブランドを立ち上げ、自社製品とパートナー企業製品とを区別する計画だと、同紙は伝えている。